「不動産投資のREITって何?」と気になっている人も多いでしょう。
REIT(Real Estate Investment Trust)は「不動産投資信託」とも呼ばれ、少額から始められることで注目されています。しかし損失リスクもあるので、メリットとデメリットを確かめたうえで、投資を始めるべきか判断してください。
この記事ではREITの基本的な仕組みや種類、メリット、デメリットを紹介します。初心者でも理解できるようにわかりやすく解説しているので、知っておきたいポイントを押さえておきましょう。
- REITとは、証券取引所で少額から始められる不動産投資
- 不動産管理の手間がかからないことや、高利回り物件も見られるのがメリット
- デメリットは不動産価格の下落や、運営会社の経営破綻などによる損失リスク
REITとは?基本的な仕組みを解説

REITとは不動産の投資信託で、証券取引所で買えます。多くの投資家が共同でひとつの物件に投資するのが特徴です。
従来の不動産投資は、数千万円から数億円の物件を購入し、自ら維持や管理を行う仕組みでした。しかしREITなら少額から始められるうえ、証券取引所で自由に売買できます。
基本的な特徴として、以下の4つのポイントを見ていきましょう。
証券取引所で売買可能な不動産投資
REITは「不動産投資信託証券」とも呼ばれており、株式と同様に証券取引所で売買できます。
投資家から集めたお金は、不動産投資に充てられます。売買損益や賃貸収入から経費を差し引いた利益が、配当として投資家に支払われる仕組みです。
従来の不動産投資では、大抵数千万円以上の資金が必要ですが、REITなら数万~数十万円程度から参加できます。不動産のプロに物件への投資や維持、管理をまかせられることから、初心者でも始めやすいのが魅力です。
さまざまな地域のREITが存在する
REITで扱われる物件は、国内だけではありません。日本の物件が対象なら「J-REIT」となる一方、海外の物件を扱う「米国REIT」「英国REIT」「豪州REIT」なども利用できます。
海外の不動産は、国内と比べて利回りが高かったり、価格変動が大きかったりすることもあります。投資対象となる不動産の地域が異なるため、各国特有の市場環境やリスクを前もって調べておきましょう。
マンションや商業施設など幅広い種類を扱う
REITで扱われる不動産も、以下のようにさまざまな種類があります。
- 住宅(一軒家やマンション、アパート)
- オフィスビル
- 商業施設
- 宿泊施設(ホテルやコンドミニアムなど)
- 物流施設
- ヘルスケア施設(病院や老人ホーム、福祉介護施設など)
そのためREITによって「住宅運用型」「オフィスビル運用型」など形式が異なります。一方、複数の種類の不動産に分散投資する複合型REITも見られます。
不動産への直接投資との違い
不動産におけるREITと直接投資の違いについて、以下の表を見ていきましょう。
| REIT | 不動産への直接投資 | |
| 投資対象 | 主にマンションやアパートなどの住居向け | 住居向けだけでなく、オフィスやホテルなどの事業用にも投資可能 |
| 必要資金 | 数千万円~数億円の場合が多い | 大抵は数万円~数十万円。REITファンドなら数百円のケースも |
| 情報収集 | 自分で行わなければならない | ある程度のリサーチは必要だが、REITが良質な情報を提供するため比較的容易 |
| 分散投資 | 多額の資金がないと困難 | 可能 |
| 物件管理 | 投資者自身が管理するか、委託先を探す | REITが管理を引き受けるため、投資家自身は不要 |
| 売却の難易度 | 自分で買い手を探さなければならないため難しい | 証券取引所で売買できるため簡単 |
直接不動産に投資する場合、賃貸収入を得たり、物件を売却して利益を得たりできます。しかし、初期投資に莫大な資金が必要で、不動産の管理やメンテナンスにも手間や時間がかかります。
一方、REITは運営会社が管理することから、投資家はその手間を省けます。また、証券取引所で売買できるため、現金化が容易です。そのため金銭だけでなく、スケジュールの負担も軽くできます。
REITのメリット4つ

REITには多くのメリットがあります。初心者にも取り組みやすい点が多く、とくに少額から始められる点が魅力です。REITのメリットとして、以下の4つを紹介します。
少額から投資を始められる
REITの最初のメリットは、低予算でも始めやすい点です。証券取引所で口座を開設すれば、株式のように1口単位で購入できます。そのため低額のREITなら、数万円での取引が可能です。
以上から、大きな初期投資が必要な直接の不動産投資と比べ、敷居が低いといえます。REITのおかげで、誰でも気軽に不動産市場に参加できます。
高い利回りや分配金を得られることもある
REITのなかには、利回りや分配金が安定したものもあります。不動産の賃貸収入や売却益を分配金として投資家に還元されるため、空室率の少ない物件ならハイリターンが見込めます。
たとえばJ-REITの場合、利益の90%超の配当金により、不動産投資会社の法人税が非課税になります。そのため、優良物件なら高い配当金も期待できるでしょう。
定期的に分配金を受け取れれば、サラリーマンの副収入やリタイア後の安定的な収入源にもなります。
管理の手間がかからない
REITの投資家は、物件の運営に関する手間を省けます。専門の運営会社が物件の管理やメンテナンスを行うからです。
従来の不動産投資では購入や売却における書類手続き、建物のメンテナンスなど、初心者にとって負担の大きい作業があります。
しかしREITなら、経験豊富なプロが取引や管理を行うため、投資家の負担がかかりません。不動産の稼働状況や収支状況を定期的に確かめるだけでよいので、本来の仕事や趣味、家事などにも集中しやすいといえます。
分散投資もしやすい
REITは参入に必要な金額が少ないため、分散投資もしやすいといえます。たとえばSBI証券には、一口10万円以下のREITが複数あります。そのため元手が20万円でも、2~3種類への投資が可能です。
一般的な不動産投資では、ひとつの物件だけで数千万円以上かかるため、分散投資は困難です。しかしREITは一口あたりの価格が手ごろなので、複数の種類への投資ができます。
それだけでなく「REIT+米国株」「REIT+暗号資産」などのように、別の金融商品との分散投資も選択肢です。このような戦略なら、いずれかの投資対象でマイナスになっても、他で利益を出せる可能性があります。
REITのデメリット4つ

REITには多くのメリットがありますが、デメリットやリスクも存在します。これらのリスクを理解し、適切に対処してください。具体的なデメリットを4つ紹介します。
元本割れによる損失に要注意
従来の不動産投資と同様に、REITでも価格が下落し、元本割れすることがあります。
元本割れとは、購入時と比べて運用額が低くなる状態です。たとえば10万円で購入したREITが8万円になると、2万円のマイナスとなり、その状態で売ると損失が確定します。
たとえば不動産市場の低迷や、景気の悪化によって価格が下がると、元本割れが起きやすくなります。損失を避けるためには、信頼性の高い情報や投資戦略を学び、優良物件を見極めてください。
不動産市場や経済情勢の変化で暴落することも
REITは不動産投資の一種のため、市場や経済情勢の変化で暴落することもあります。また物件の立地によっては、自然災害の影響にも要注意です。台風や地震で建物が壊れ、資産価値が大きく損なわれるケースもあります。
暴落に備えるため、投資は余剰資金で行いましょう。毎月の収入から生活費や貯蓄などを差し引き、残ったぶんだけを投資に回すのがおすすめです。以上を心がければ、REITでの損失が起きても生活への影響を抑えられます。
また信頼できる証券取引所やREITを見極め、なるべくリスクの低いところへの投資を心がけてください。
REIT上場廃止や運営会社の倒産の可能性もある
REITの運営会社が倒産したり、上場廃止に見舞われたりするリスクも存在します。これにより、投資額を丸ごと失う可能性があります。
上場基準を満たさなくなったり、事件や経営悪化で企業が倒産したりすると、REITの提供が困難になるかもしれません。
過去には2008年10月に、リーマンショックの影響でニューシティ・レジデンス投資法人が経営破綻しました。これは2001年のREIT市場創設以来、初のJ-REIT破綻とされます。
今後もREITの破綻が起きるかもしれないため、運営会社の経営状態を定期的に確かめてください。経営状態が厳しそうなら、早めに売ることが大事です。
法制度の変更にも気をつけよう
法制度の変更により、REITの市場価格や収益性が下がることもあります。
不動産や税金、投資に関する法律はいつ変わるかわかりません。そのため、公的機関の発表やニュースなどを定期的に調べ、法制度の変更がないか確かめましょう。
たとえば改正法の施行により、不動産の管理費用が高額化するかもしれません。その場合、運営会社の経費がかさみ、REITの配当も減少する可能性があります。
法制度の変更がREITに影響しそうなら、持ち続けるか手放すか慎重に判断してください。
証券取引所で口座を開設すればREITに投資できる

REITに投資するなら、証券取引所で口座を開設してください。近年はオンラインでの手続きにより、最短3~4営業日で開設し、REITを購入できるところがあります。
一般的には公式サイトで必要事項を入力し、本人確認まで済ませれば手続きを完了できます。審査で問題がなければ口座開設が認められ、REITを始められる仕組みです。
証券取引所ごとに手数料や規約などが異なるため、複数社のサービスを比較しましょう。さまざまなところを比べてみれば、自分に合った証券会社を見つけやすくなります。
まとめ

REITは、少額から不動産投資を始める方法で、従来の不動産投資より気軽に取り組めます。しかし、価格変動や自然災害などによる損失リスクもあるため、メリットやデメリットを理解したうえで投資しましょう。
証券取引所で口座を開設すれば、簡単にREITに投資できます。まずは少額から始めて、リスクを最小限にとどめつつ、安定的な運用を目指してください。


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